*雨の笑声

 色のない涙を流す世界で一人きりになることもできずに、
 ぼくはいつの日も一つきりです。やがていつの日か誰も彼も――。

 それでも雨は笑いつづけているようでした。いるようでした。

 窓辺にたたずむ白いあの子と、二つ、音を語る夢を見ました。
 意もなく連ねた赤い言葉(ことは)で、痛みを染めてさらすのです。

「あした転機になりますように」
 そうしてぼくは息を殺したけれども、雨は笑いつづけているようでした。

 いるようでした。

 Music, Lyric coe / Vocal 桃音モモ